東京に住んでいても東北に向けてできることがある。

フェス, 東日本大震災 |
2016年 2月 23日




ボランティアストーリー027-01
「私は人がとっても大切で、人が大好きなんです」
宮本さんと話していると、本当に人が好きなんだなと感じました。インタビューをする前に同席させてもらったPeace on Earthのボランティアリーダーの顔合わせの時も、周りの人が話しやすい雰囲気を作り出し、常に人がどうしたら活動しやすいかを考えていました。
自分にできることや、やりたいことを考え行動に移す宮本さん。
普段、東京に住んでいる宮本さんが震災後からどのようにボランティア活動をし、続けているのかお話を伺ってきました。

Q.初めてボランティアしたのはいつでしたか?

東日本大震災関連は、震災から2か月経った頃だったかなぁ…。
それより前だと、専門学校に通っていた2004年頃、大阪で行われた音楽イベントのゴミのナビゲーションをするボランティアに参加したのが初めてだったと思います。

Q.東日本大震災以降はどんなボランティアに参加していましたか?

震災当初は、不足していた生活用品などの救援物資を被災地へ送ったり、義捐金の寄付や募金をしていました。
現地へは、福島県や宮城県に何度か足を運んでいます。
福島は、風評被害の影響で生産者の方たちが農業を断念することも多かったと思うんですが、〝新しい農業″ということで起ち上ったオーガニックコットンプロジェクトのボランティアなどに参加していました。
当時、仕事が土日休みではなかったので、東北に行くときはお休みを取ってツアーバスで参加していました。福島だと東京からも参加しやすいです。
その他は、東京でできるボランティアを探して、復興市や物産展などのお手伝いや、 1日だけでもできるボランティアに参加していました。

Q.現在は、震災関連以外のボランティアにも参加していますよね?

そうですね。震災後はYahoo!のボランティア検索サイトで情報を探していました。そこからearth gardenのボランティア情報にいきついて、震災関連以外のボランティアにも参加するようになりました。

Q.これまでに印象に残っているボランティア活動はありますか?

福島県の南相馬市で行われている騎馬武者ロックフェスです。
2014年に第1回目の騎馬武者ロックフェスに参加して、そこからの縁で実行委員の方とも仲良くなって、騎馬武者ロックフェス以外のときも声を掛けていただいて東北行くきっかけをもらっています。
第2回目の昨年は、earth gardenのボランティアの仲間と騎馬武者ロックフェスを応援する「東京サポーターズ」というチームを作って、イベント当日のボランティアだけではなく、東京のライブハウスでイベントのチラシを貼ってもらえるようお願いに回ったり、出演するアーティストさんのライブ後にチラシを配らせてもらったり、他のイベントでPRブースの出展をしたりと、探り探りの活動でしたが、東京でもできることをお手伝いさせてもらいました。

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Q.震災後から今日までボランティアを続けている理由を教えてください

現地に行けば行くほど、その地元の人と仲良くなれるんですよ。
仲良くなると「また会いたい」って思うようになって…。
そうやって出会った地元の人たちが困っていることを聞くと、ますます「力になりたい!」と思うようになって今日まで続けている感じですかね。
せっかく繋がった縁を大切にしながら活動をしています。

ボランティアストーリー027-06

Q.宮本さんにとってボランティアの魅力って何ですか?

普段なかなか関わることができない人とも繋がることができるということです
先ほどの質問の答えと同じですが、主催者の方や直接イベントに関わっている人たちとお話しをして想いを聞くことができます。
earth gardenのボランティアでいうと、earth gardenのイベントの運営ってボランティアが主体になるところがあって。例えば、イベントで豚汁を振る舞ったりすることがあるんですけど、事前の準備も実際にボランティアのコアメンバーが農家さんや生産者さんに直接交渉する場面があるので、連絡を取る中で仲良くなれるんです。
何か用事がなくても「最近どうですか?」と声を掛けあえる人が増えるって嬉しいです

ボランティアストーリー027-07

あとは、そこに集まった人たちと何かをやり遂げるがとても面白いです。
本来の活動目的は別にあるんですけど、一緒に活動している人と楽しんだり、壁にぶつかることがあったら一緒に悩んだり、沢山迷いながらも〝今の自分を変えたい・出来ることを増やしたい″と人の変化を感じられるのが嬉しいです。
ボランティア活動は、自分の職業で得る、達成感や充実感とは全く違う面白さがあります

Q.お仕事は何をなさっているのですか?

今は、専門学校の時に勉強していた企画を考えたりする仕事で、WEB関係の会社で働いているんですが、少し前までは、まちづくり関連のNPO団体で働いていました。
震災後ボランティア活動をする中で、私にとって人の繋がりや人に直接関わることって大切だなと思えて、コミュニティづくりなどに興味を持ちました。
前職では、駅での復興イベントや、まちの小さなイベントのお手伝いなど「市民活動」と呼ばれるものや、行政とまちづくり組織を立ち上げる事業に関わったりと、微力ですがまちの人を支える仕事をしていました。
いろんな事情でその仕事は辞めてしまいましたが、集まった人たちとどういう風に関係を作って物事を進めていくかって、ボランティア活動の中でも考える機会がありますよね。

Q.では、現在は仕事ではできないことがボランティアでできている感じでしょうか?

そうですね。やりたいことをすべて仕事にしなくても、趣味やボランティアで実現しようと思えばチャレンジする機会は沢山あります。
ボランティアの可能性は無限にあると思っています

Q.もうすぐ3月11日ですが、今年のPeace on Earthもボランティアリーダーとしての参加ですよね。Peace on Earthはいつから関わっていますか?

2012年の1回目からボランティアとして参加して今年で5回目になります。

Q.これまで関わってみてどうですか?

「東京でイベントをやるくらいなら東北に行ったら?」
「本当に東北の人の為になっているの?」と言われたこともあります。
私たちは東京に住んでいて、東北に住んでいるわけではありません。
だけど現地ではなく、別の立場から見ているからこそ、気づけることもあると思うんです。
東北に行ってボランティアしてないから東北のためになっていない。ではなく、東日本大震災を通して、
「こういうことがあったけど、じゃあ自分たちは何が出来るか」
「どういう風に生きていこうか」ということを考えることって大切だと思うんです

Peace on Earthは、普段自分たちが住む東京でできることって何だろうと〝東北に想いを寄せて、震災で起こったことも次に活かせるように考える。″というきっかけになるのではないかなと思っています。
震災から5年。「忘れない」って大事なことですよね

ボランティアストーリー027-08

Q.今後もボランティアを続けていきますか?

続けていきますよ!まだまだやりたいことがあります。

Q.どんなことをやってみたいと描いていますか?

私は、人がとっても大切で、人が大好きなんです
earth gardenではコアのボランティアとして事前の準備から関わることも多いので、一緒に活動したボランティアさんたちが単純に「参加してよかった、楽しかった」と思って帰ってもらうことも嬉しいんですけど、それぞれが活動の中で何かを感じたり、学んだり、大事な友達が出来たり…と、何かその人のためになるような、環境をつくっていきたいです。何かをやってみよう、自分を変えようと行動するのは本人だけど、何かきっかけくらいは与えられる人でいたいなと思っています。

ボランティアストーリー027-09

あとは、人との縁を、社会貢献的な活動に繋げることはできないかなと思っています。
今も自分たちがボランティアとして参加したイベントの売り上げが東北のコミュニティ支援活動の資金や、また次への運営資金になっているので、何も貢献していない。と言ったらそういうわけではないと思うんですけど、もっと直接的に貢献できる活動も考えていきたいです。
ボランティア活動って自分一人でやっているわけではないので、関わる人のことも考えてやっていきたいです。

Q.東北に対しての想いを聞かせてください。

どこまで終われば「復興」というのかわからないけれど、その人たちがその人たちらしく生きれる環境って大切なのかなと思っています
東京にいる私から積極的にこうしたらいいんじゃないかって提案したりしていくのも違うなと考えていて、やっぱり地域のことは地域の人たちが決めたいだろうし、現地の人たちが何かあったときに、相談してもらえる存在になりたいなと思っています。困っているときに手を差し伸べられる距離感でいたいです。

ボランティアストーリー027-05

Q.東京にいるけれど東北にかかわるボランティアをしてみたいなと考えている人たちへメッセージをお願いします

動き出すのってお尻が重いかもしれないけれど、「ちょっと行ってみようかな」くらいの感覚で参加するのがいいのかなと思います。
ボランティアを重く考えて「行ってもうまく動けなかったらどうしよう」と思っている人もいるかもしれません。
だけど、現地にいる人は「来てくれるだけで嬉しい」と言ってくれる方もいます
これは私が実際に東北に住んでいる方にいつも言われる言葉なんです。
私も震災後「ちょっと行ってみよう」っていう気持ちが今に繋がっています。
不安な気持ちを振り切って、とりあえず動くのがいいと思います。
東京や関東に住んでいる人なら、私も参加しているearth gardenのボランティアなら気軽に始められるかもしれません。
これならやれそうだな。っていうボランティアを見つけて始めてみるのもいいと思います。参加してみると、色んな人に出会えて、色んな世界を見ることができますよ!

取材:田屋 由佳利
プロフィール

ボランティアストーリー027-10 宮本 真由美(30歳)
職業:会社員
住まい:東京都
出身:京都府
写真一番右側が宮本さん



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