ボランティアは夢への近道かもしれない。

東日本大震災 |
2016年 3月 23日




ボランティアストーリー028-01
今回インタビューしたのは多賀城高校に通っている阿曽さん。
多賀城高校には2016年度から災害科学科ができます。
阿曽さんは現在、ボランティア同好会に所属し課外活動としてボランティアセミナーに参加して、学校生活を過ごしています。
震災が起こったときはまだ小学生。
「夢ができてから、色んなことに挑戦したいと思ってボランティアに参加しるようになりした」阿曽さんの頭の中には、やりたいこと、チャレンジしたいことがたくさん詰まっているようです。ちょっぴり自分に自信がない部分も持っているようだけれど、何事も素直に向き合う阿曽さん。言葉を選びながらも自分の気持ちをしっかりと話してくれました。

Q.震災当時は小学生ですよね。2011年3月11日のことを覚えていますか?

小学校5年生で、地震が起きたときは授業中でした。
その日は学校に泊まって、次の日に親が学校に迎えに来てくれて下校しました。
父が当時石巻方面で働いていて、数日家に帰ってこなかったことは心配でしたが、家の被害とかはほとんどなくて、普段の生活に戻っていったと思います。
気が付いたら新学期が始まっていた感じです。

Q.ボランティアに参加するきっかけを教えてください

私は、直接人の役に立つ仕事に就きたくて、それに一番近づけるのがボランティアかなと思って参加しました

Q.人の役に立つ仕事が就きたいと思うようになったのはどうしてですか?

弟が特別支援学校に通っているのですが、弟の学校の授業参観などで先生の働いている様子をなどを見て「かっこいいなぁ」と憧れを持ちました。私が直接人と接したことで何か役に立てたらと思うようになりました。
福祉関係や子どもに接する仕事に興味があります。

Q.普段の生活で震災について考える機会はありますか?

そうですね…。友達との会話でも震災に関することを話したり聞いたりすることはあります。そういう話を聞いていると、自分は直接被害に遭わなかったけれど「役に立てたらいいな」という気持ちはあります。

Q.現在、課外活動でボランティアに取り組んでいると思うのですが、やってみようと思ったきっかけを教えてください

中学生の時に福祉関係の仕事に興味を持ち始めてから、ボランティアをやってみたいなと思っていたんですけど、チャレンジできずに過ごしてしまっていて。
高校生になって、ボランティア同好会があるのを知って参加するようになりました。
2016年から災害科学科ができるし、課外活動をすると単位も取れるのでボランティアセミナーに参加しています。

ボランティアストーリー028-03

Q.ボランティア同好会以外に部活も入っていますか?学校生活はどうですか?

学校はすごく楽しいです!
自由すぎず、しっかりとした校風があるところに魅かれて多賀城高校に入学したのですが、入ってよかったなと思っています。
部活は、放送部に入っています。

Q.どんなボランティアに参加していますか?

学校に掲示してあるボランティア情報から自分で探して参加しているんですけど、お祭りのお手伝いとか単発的なものが多いです。
長期でかかわったのは、塩釜の絵本を作るボランティアです。

Q.実際に参加してみてどうでしたか?

自分でも人の役に立てるという気持ちですごく嬉しかったし、充実感がありました
失敗したこともありますけど…。

Q.どんなことで失敗したのですか?

お祭りのボランティアに参加した時に、参加したボランティアの人数に対して仕事量が少なくて、何もしない時間が多かったんです。
その時に「私って必要とされていないのかな。ボランティアだからいてもいなくてもいいと思われているのかな」と感じてしまいました。
だけど、もっと自分から手伝わせてくださいって積極的になればよかったなと後悔しました。

Q.では、楽しいと感じるときはどんな時ですか?

一個人として人と接することができることかな。
普段は年の近い人としか接しないけれど、ボランティアに行くと大人と接するが多いし、大人といることが自分にとって居心地がいい時もあります

Q.ボランティアをするようになって変わったことはありますか?

ボランティアというか、夢を持ってから少しずつ変わっていった気がします。
私は基本的にインドア派で本を読んだりするのが好きなんです。
小学生の時は、すごく消極的で福祉関係の仕事に就きたいという夢ができて少し積極的になれて、ボランティアに参加するようになった気がします。

Q.ボランティアセミナーの取り組みはどうですか?

今までのボランティアは当日参加して終わり。ということが多かったんですけど、今は防災について自分たちで考えたり、〝何のために、誰のため″にという目的のもとの部分を考えることができるのでやりがいを感じます。ボランティアってただの労働じゃないんだなってすごく思います。

ボランティアストーリー028-05 ボランティアストーリー028-04
子ども向けに防災について考えるイベントを自分たちで企画運営しました

Q.ボランティアをしていると大人が身近になると思うんだけどどう?

私たちは学生だけど、社会人の方たちは仕事もあるのに、「すごいな」と思います。
憧れるし、私も社会人になってもボランティアを続けたいと思っています。

Q.高校生活、あと2年ありますがどんな風に生活していきたいですか?

勉強が苦手なのでもう少し頑張りたいと思っています。
自分のことができていないのに、ボランティアはできないなと思っていて。
自分の中で〝自分のことができている″という条件を付けてボランティアに参加しているので計画を立てて過ごせるようになりたいです。
あとは、落ち着きがないとよく言われるので、落ち着いた大人になりたいです。
子どもに関係するボランティアもしてみたいし、ボランティアと勉強を両立させていくことが目標かな!

Q.ボランティアに参加したいなと思っている人にメッセージをお願いします

単発のボランティアでもいいから行ってほしいなと思います。
そのうちに「ありがとう」気持ちいいです。
自分で仕事をしたってわかるとボランティアがくせになります。
身近なところからボランティアを探して参加してもらえたらなと思います。
私の福祉関係の仕事に限らず、ボランティアは夢への近道かもしれません。

ボランティアストーリー028-06

ボランティアに参加していると、受け入れてくれた団体の方やかかわった人に「活動を広めてね」とか「頑張ってね」と声をかけてもらえることがあります。
多賀城高校は、ボランティアに対して理解があると思います。
他の高校生はなかなかボランティアする機会がないというのも聞くし。
自分が高校生としてボランティアに参加して「高校生でもできるんだ」ということを証明したいです。
私ができたら、みんなもできる。そうやって興味を持ってもらえたらいいなと思うと、私も余計に頑張ろうって思えます

取材:田屋 由佳利
プロフィール

ボランティアストーリー028-07 阿曽 南美(16歳)
職業:多賀城高校1年
住まい:宮城県多賀城市
出身:宮城県多賀城市



最新のボランティア募集情報
一覧へ



    トップページボランティアストーリーとは運営団体について記事一覧お問い合わせ

    赤い羽根共同募金