スポーツを『支える』という立場から見えてきたこと

スポーツ |
2018年 3月 30日




ボランティアストーリー032-01
今回は、大学の研究をきっかけに昨年から仙台市内のプロスポーツチームのボランティアに参加している千葉さんにお会いしてきました。
元からスポーツが好きだった千葉さんですが、スポーツはプレイしたり観戦するだけでなく『支える』という立場でスポーツに関わり、実際に参加しているボランティアさんと話したり、研修会や講習会に参加する中で様々なことに気づくようになったそうです。
学校、バイト、就活と忙しく学生生活を送る中で、どんなことを考えて活動に参加しているのかを伺ってきました。

Q.スポーツボランティアにはいつから参加していますか?

2017年11月頃からです。最初はフットサルのヴォスクオーレ仙台のボランティアに参加しました。
ボランティア以外にも研修会があれば参加しています。

Q.スポーツボランティアに参加しようとしたきっかけはなんでしたか?

大学では文化人類学を専攻しているのですが、研究の一環で、興味のある施設や団体へフィールドワークをすることになり、研究テーマとしてスポーツを選んだことがきっかけです。
僕はもとからスポーツに興味があって、スポーツって『するスポーツ、みるスポーツ、支えるスポーツ』の3つで成り立っていると言われているんですけど、今までは僕はチケットを買って応援する側だったんですけど、応援するだけではなく支える側にも興味があって、調べていたら仙台市のプロスポーツチームにはたくさんのボランティアさんが参加していることを知りました。
そこで研究テーマをスポーツの中でも『支えるスポーツ』を選び、実際にボランティアに参加してみました。

Q.中高生のときはボランティアはしたことありましたか?

中高生のときは運動部に所属していて、部活単位ではボランティアに参加したことがあります。
中学のときは地域の清掃活動、高校のときは障碍者スポーツの運営のお手伝いをしました。

Q.部活のみんなとボランティアをするのとは違い、今回は一人で申し込んでボランティアに参加したと思うんですけど参加するに当たり抵抗はなかったですか?

今まで一人で申し込んでボランティに参加したことがなかったので、どんな感じなんだろうとは思っていましたが、元から一人で行動するのはそんなに苦手じゃないので抵抗はなかったです。
それよりも、自分の興味のあるスポーツに関われるということや、普段見ることのできないスポーツの現場の裏側が見られるということもあり、楽しみの方が大きかったです。

Q.実際にスポーツボランティアに参加してみてどうですか?

楽しいです!
参加する前に事前に研修などもあったので不安も解消されました。
活動はすごく目立つような活動ではないんですけど、お客さんと触れあえることが楽しいですよ。
2,3回ボランティアに行くようになると、顔なじみの人もできるし、休憩時間には初めて会った人でも会話したりするし、一人で参加しても大丈夫です。

ボランティアストーリー032-03

ボランティアに参加しているみなさんが楽しんでボランティア活動をしているので、エネルギーにあふれている人たちと活動できることが面白いですね。
フットサル(ヴォスクオーレ)のボランティアには中高生の参加者もいるので、自分より若い人たちと話すことでも刺激を受けます。
中高生向けのボランティア育成講座(http://www.miyagi-sports.net/)があるので、僕が中学生のときとかにこういう活動があって参加できていたらどんな風になっていたのかなと思うときもあります。
参加している中高生を見ると色んな経験ができていて羨ましいです。

Q.学生だと、様々な場所でバイトとしても社会と関われたりすると思うんですけど、バイトとボランティアの違いってどんなところだと思いますか?

僕自身もバイトとボランティアの違いってなんだろうって考える時があります。
スポーツの現場にもバイトがいたりするんですけど、バイトは黒子的な仕事で、ボランティアはお客さまと触れあう場面での活動することが多いと思います。
お金を貰わずに自分の気持ちで参加するからこそ、お客さんと接するときに自然といい接客ができるんじゃないかと思います。
あとは、ボランティア活動をすると活動の最後に一日の報告をするんですけど、運営スタッフの人が改善点を聞いてくれるんです。
自分が思ったことを今後の活動に反映できるチャンスがあるのはモチベーションが上がるしいいことだなと思いて、積極的に意見を言える環境があることもバイトとの違いな気がします。
ボランティアさんの多くは、「そのスポーツが好き」「そのチームが好き」というような気持ちで活動に参加してらっしゃる方で、ボランティアに参加している人もスポーツの一ファンなんですよね。
ボランティアで参加することで、単純に客席で応援するだけでなく、もっとチームの身近で応援して支えることができる。お金を得るわけではないけれど、気持ちの面でボランティアとして参加する美味しい部分もあると思います。

Q.ボランティアに参加したことで変化したことってありますか?

会場にお客さんで行くと、試合と選手しか見ないんですけど、ボランティア活動していると、お客さんの様子や会場の様子、例えばゴミは落ちてないかな?とかっていう部分を見るようになりました。
今まで気づかなかったことに気づけるようになって、視野が広がりました。
あとは、運営側の方たちが「ボランティアさんにも試合を見てほしい」と言ってくれるので、試合をみることでさらに会場全体を感じることができ、自分たちの活動がどう影響しているのか感じることができます。
ボランティアに行ったときに試合に勝ったりすると嬉しい気持ちになります!
ボランティアを経験したあとに、お客さんで行くともっとスポーツを楽しめると思います。

Q.ボランティアに参加して印象に残ったことを教えてください

印象に残ったことというか、ボランティアを経験して考えるようになったことなんですけど…。
ボランティア活動をしていた時、小さい子が僕の近くに駆け寄ってきたんです。
その時にお母さんが「お兄さんはお仕事中だから邪魔しちゃダメだよ」とその子に言っていたんですよね。その言葉を聞いて、「知らない人から見ればバイトもボランティアも変わらないんだな」と思ったんです。
そんなふうにお客さんの声を聞いたことを経験して、活動してる瞬間はバイトもボランティアも変わらないかもしれないけど、ボランティアだからできることってなんだろうって考えるようになりました。
そのときの経験と、スポーツボランティアの研修会や協会の方と話す中で、建築など空間的な地域づくりではなく、人がつくる地域づくりというような感じで、スポーツでまちづくり、コミュニティデザインができるのではないかなという気づくことできました。
自主的により良くしていこうということを考えられるボランティアの存在って大きいと思います。
現場にいくと社会的地位も関係ないし、色々な人がいることも面白いですよね。

ボランティアストーリー032-04

Q.活動をしていて、もっとこうなったらいいなと思うことはありますか?

年配の方や中高生はスポーツボランティアに参加している人はいるんですけど、僕と同世代はあまりいないんですよね。
大学生って自由な時間が多いと思うし、もっと同世代のボランティアさんが増えてたらいいなと思います。

Q.どうしたら同世代のボランティアが増えると思いますか?

部活単位で活動に参加したり、大学の授業などで勧誘してくれたらいいのかなと思います。
きっかけがあれば、参加してくれる人は増える気がします!

Q.研究をきっかけにボランティアに参加していると思うんですけど、活かせそうですか?

フィールドワークをするとその日あったことや感じたことをまとめるフィールドノートっていうものを書かなくてはいけないんですけど、ネタが豊富過ぎてノートに書ききれないくらいなんです!
もう少しボランティアを経験して、先ほども話した、コミュニティデザインについてももう少し考えて学術的にどう考察していくか詰めていきたいと思います。

ボランティアストーリー032-05

Q.これから就活や卒論などもあって、忙しい時期もあると思いますがボランティアは続けれそうですか?

ボランティアは自分の行きたいと思うタイミングで参加できるのもいいところだと思うんです。
仙台にはプロ野球(楽天)、プロバスケット(89ers)、プロフットサル(ヴォスクオーレ)などプロスポーツチームがたくさんあるのでやろうと思えば年間通してスポーツに関われるんですよね。
ボランティアに参加できなくてもセミナーや単発のイベントなどもあるのでこれからも自分のタイミングで続けていきたいです!
あと、僕はずっと宮城に住んでいるんですけど、震災関連のボランティアに参加したこともないんです。
一度被災した身ですけど、今でもできることがあると思うので、そういう活動にも参加してみたいなと思います。

<リンク>
市民スポーツボランティアSV2004
仙台スポーツボランティアプロジェクト

取材:田屋 由佳利
プロフィール

ボランティアストーリー032-06 千葉 喬馬(21歳)
職業:東北大学文学部3年生)
住まい:宮城県多賀城市
出身:山形県



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