「いまさら」なんてことはない。私がコンプレックスを乗り越えられた訳。

東日本大震災 |
2014年 8月 28日




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「ボランティア歴の浅い私がインタビューなんて受けていいんでしょうか…」と恥ずかしがるかなこさん。話を聞いていると、ボランティアに対して不安な気持ちの中にも、明るさとポジティブさがありました。「震災から2年間、何も行動できなかった自分にすごいコンプレックスがあったんです。」そう話す彼女がどうコンプレックスを乗り越えて活動を続けているのか聞いてみました。

Q.震災の時は、大学生ですよね?どこで何をしていたんですか?

はい、大学2年生になる春休みでした。ちょうどバイトも休みで、実家のある登米にいました。
ライフラインが戻るまでには10日近くかかった記憶があります。電車も動いているかどうかわからない状態だったしガソリンもなかったので、大学のある仙台に戻る術がなくて、しばらく実家にいました。そろそろ仙台に戻ろうかなと思っていた時、2回目の大きな地震がきて、家族に「まだ家にいてほしい」と言われて、結局1ヶ月くらい実家にいました。
仙台にいたらきっと家族とも会えなかっただろうし、地震があった時に実家で家族といることができて本当によかったなと思いました。

Q.初めてボランティアに参加したのはいつでしたか?

震災の直後に大学で募集していた、外国の子どもたちが送ってくれた手紙を和訳するボランティアに参加したんですけど、それは授業の一環という感じでボランティアっぽくはなかったです。そのあとは本当に何もやっていなくて…。
2013年10月に気仙沼で行われたサンマフェスティバル(http://sanmafes.com/)のボランティアが、初めてちゃんと参加したボランティアでしたね。

Q.サンマフェスのボランティアに参加したきっかけは何だったのですか?

震災後からボランティアはずっとしたいなと思ってたんですが、今までボランティアなんてしたことがなかったし「いまさら参加しても何かできることあるのかなぁ」と不安ばかりがありました
以前から友達が、音楽フェスのボランティアに参加していて「おもしろいよ」って話してくれていたので、私は音楽が好きだしフェスのボランティアに興味はあったんです。
友達が気仙沼出身だったということもあり、「やってみようか!」と話して参加しました。

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Q.サンマフェスでボランティアしてみてどうでしたか?

サンマフェスは楽しかったです!ただ、それだけじゃなくて、実際に気仙沼に行ってみて、震災から3年が経とうとしているのに、まだ家の土台が残っていたり、かさ上げ工事をしているところがあったり、宮城県内なのに全然知らない場所に来た感覚になりました。
気仙沼出身の友達と一緒にまちを見ていると「ここにも家があってね…」と震災前の話も少ししてくれて、切ない気持ちになりました。だけど、話しをしてくれている友達はもっともっと辛いんだろうなと思いました。
フェスのボランティアをして、「楽しかったからまたやりたい!」という気持ちもあるけれど、まちの景色を見たり人の話を聞いて「何かしたい」と改めて強く思ったんです

Q.その後は、どんなボランティアに参加しましたか?

実家からも仙台からも近いので石巻には何度か行きましたし、4月に社会人になってからは2月間東京で研修があったので、東京でもボランティアもしました。
毎月、何かしらのボランティアに行っています!

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Q.社会人になってもボランティアを続けるのって大変じゃないですか?

休みのときに行っているので、大変じゃないですよ!
職場ではパソコンに向かっての仕事が多いので、たまに体を動かしたくなるんです。ボランティアに参加して体を動かして活動してるのが私にはちょうどいいです。

Q.印象に残っているボランティアはありますか?

2014年のお正月には、仮設住宅などをまわって餅つきをするボランティアに参加しました。
私は音楽が好きだから音楽フェスのボランティアに参加していたけど、「音楽が好き」とか「イベントを盛り上げよう」っていう気持ちを抜きにした時に、自分は人の役に立てるのかという不安を抱えたまま参加しました。

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私はずっと、震災の後2年間何も行動できなかったことにすごいコンプレックスを抱いていたんです
何かしたいけど「いまさら」っていう気持ちが強くてなかなか踏み出せませんでした。ボランティアを始めてからも、しばらくそのコンプレックスは引きずっていたんですけど、仮設で出会ったおばあさんに「震災から時間が経っても、こうやって会いに来て話し相手になってくれる人がいる。それがすごく嬉しいよ」って言ってもらえて。
「自分が思っていた“いまさら”っていう気持ちは、おばあさんにとってはいまさらじゃないんだ。」って気づいて気持ちが楽になりました
自発的に動いたり、仮設に住んでる方との対話力だったり、フェスのボランティアとはまた違うものが求められてる気がして変に構えていたんですけど、慣れてくると自分が今どうすればいいのかが少しずつ見えてきました。

Q.約1年、継続的にボランティアを続けられている理由はありますか?

単純かもしれませんが、「おもしろい!楽しかった!またやろう!」の繰り返しですよ。
正直、フェスとかイベントのボランティアって直接復興に繋がるということがわかりづらいと思うんです。だけど、いろんな年代の人がニコニコしながら過ごしている空間にいることができて、更にそれをつくる側にいることがすごく楽しいです。あと、お客さんとコミュニケーションをとるのも面白いですよ!
私、人が喜んでる顔や笑顔を見るのが好きなんだと思います

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ボランティアに参加してそんな嫌な思いもしたことがないです。
活動をしているといろんな人に出会って、それ全てが「楽しい、面白い」ではないけれどどんなことも今の現実なんだろうなと思うようにしています。
色んな場所に行くと、普段生活しているだけでは知り得ない人のことが知れて勉強になります。

Q.ボランティアに行っていることは、周りに話したりしていますか?

話しています。最近はボランティアに行くと、外での活動が多いので日焼けして、次の日に会社に行くと「何してきたの!?」と言われるので(笑)。会社の人にも話しています。
この前、会社の同期の子に「私もボランティアに行ってみたい」って言ってもらえてすごく嬉しかったんです!
ボランティアって押し付けることもできないから、私からもなかなか誘えなかったけれど、今年のサンマフェスは誘って一緒に行きたいなって思っています。

Q.それはすごい嬉しいですね!

はい!その同期の子は、私がフェスでボランティアしているのを何度か見かけていて、興味を持ってくれたみたいなんです。
その他にもTwitterで物資についてのツイートをしていたら、「かなこさんのツイート見て、物資持っていきましたよ」って言ってくれた子もいました。
どんな小さいことでも、自分が活動したり発信していくことに意味はあるんだな、って最近思えるようになりました
やっぱり、フェスのボランティアっていいなと思います。最初から仮設に行くのはハードルが高いように思えるけど、私は、まずフェスのボランティアに参加できたことで被災地に行くきっかけを与えてもらったし、ボランティアを通して人の繋がりもできました
被災地に行かないと感じることのできないことはたくさんあります。
「知っている」と「知らない」ではだいぶ違うなって思うんです。

Q.ボランティアに参加してみたいけど、なかなか踏み出せない人にメッセージをお願いします

私はまだボランティアを始めてから1年も経ってないし、偉そうなこと言えないんですけど…。私と同じように、いまさらって思う人っていると思うんです。だけど誰か一人が、長く支援を続けるのではなく、行ける人が行けるタイミングでみんなで長く続けて行けばいいんだなと思います。だから全然いまさらってことはないです!自分と同じような気持ちで悩んでる人がいたら「大丈夫だよ」って言いたいです。
あと、もし迷っている学生がいるなら、学生のうちに行ってほしいなと思います。社会人になったら行きたくても長期ボランティアとかにはいけないので。

Q.これからはどんなボランティアに参加したいですか?

福島の子どもに関わるボランティアに参加したいなと思っています。
前に、福島の子どもたちを東京で思いっきり遊ばせよう!という企画のボランティアに参加したんですけど、その時に遊んでいた子どもたちに水の入った紙コップを配っていたら何人かの子どもたちが「この水飲んでも大丈夫?」と警戒していたんです。
遊んでいる時は普通の子どもなのに、水にすごい警戒心を抱いていて驚きました。
そんな子どもたちがすこしでも楽しいって思ってくれる活動に参加したいと思います
福島は色んな問題を抱えているところだろうし、今すぐどうこうできることではないけれど、子どもと遊んだりホスピタリティの部分ならば私でも何かできるかなと思います。
あとは、ペーパードライバーを卒業して自分で運転できるようになって、「また来てね」と言ってくれた仮設住宅にもう1回行ってみたいなと思っています!

まだボランティアに参加して1年も経っていないけど、ボランティアを通して、いろんなことを知ることができます。震災ボランティア以外にも海外ボランティアにも興味もあるんです。まだまだ色んなことに挑戦したいです!

取材:田屋 由佳利
プロフィール

ボランティアストーリー014-08 石澤かな子さん(22歳)
職業:会社員
住まい:宮城県仙台市(登米市出身)






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