学校にいるだけじゃわからないことが、たくさんある。

東日本大震災 |
2014年 7月 8日




ボランティアストーリー013-01
仙台で高校生のボランティア団体を立ち上げ、活動している狩野さん。
「高校卒業後は、国際系の大学に行きたいと思っています。アフリカに行ってみたいし、世の中のお金の仕組みも勉強したいな。」そう話す彼女はとてもキラキラしています。
しかし、実は1年ほど前までは、一人で行動するのが苦手なタイプだったそう。そんな狩野さんが活動を始めたいきさつを聞いてみました。

Q.震災が起こったときは中学2年生だったんですよね。何をしていましたか?

震災当日はバドミントン部で部活中でした。ランニングしていたら地震がきて。先生が「その場に座って!」と指示してくれて、しゃがみこんだら目の前の学校がぐらぐら揺れていて…。すごく怖かったです。

Q.その後、初めてボランティアしたのは高校生になってからですか?

はい、高校1年生の春でした。お母さんが「仙台に被災犬のお世話をするボランティアがあるよ」って教えてくれて、犬が好きだし行ってみようかなと思って一人で参加しました。
それまでボランティアなんて全くやったことがなかったし、一人でどこかに行くのも苦手だったんです。犬の散歩をしたり、活動自体は楽しかったんですけど、周りは大人ばかりでなかなか馴染めませんでした。2回目は友達を誘っていきました。

Q.そんな狩野さんが、今では団体を立ち上げて活動をしているんですよね。どういうきっかけがあったのですか?

高校2年生の2013年夏に、被災地の高校生がアメリカに行って現地の人たちと交流をし、リーダーシップや地域貢献について学ぶ「ソフトバンク・リーダーシップ・プログラム」に参加しました。
高校では部活に入っていなくて、時間がある夏休みに「何かしたい」と思ったのと、海外にも興味があったので申し込みました。
プログラムで出会った高校生には、地元のためにと団体を立ち上げて活動している子がいたり。また、アメリカで仕事をしている人の話を聞いて、「人生好きなようにしていいんだ」と思いました。このプログラムですごく刺激を受けたんです!それから1人で行動できるような強い女性になりたいと思うようになりました
アメリカから帰ってきて9月に仙台の高校生4人で「LUCE(ルーチェ)」という団体を立ち上げました。メンバーはこのプログラムを通して出会った子たちです。

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Q.仮設住宅でイベントを企画したりもしているんですよね?

2014年3月末に、初めて仙台市内の仮設住宅で住民の方たちを呼んだイベントを行いました。
通っている高校の音楽部にも演奏などを協力してもらったり、TwitterやFacebookで呼びかけて集まった高校生ボランティア40人と、合唱やビンゴ大会などをしました。

Q.周りの反応はどうですか?

活動の話をすると、みんな「すごいね」って言うんです。自分がやりたいからやっているのに、「すごいね」と言われると少し距離がある感じがして悲しいです。「すごいね」じゃなくて、「それいいね!」「私もやってみようかな!」って思ってくれる人が増えればいいなって思います
実際、ルーチェを通して「ボランティアに行ってみようかな」と興味を持ってくれて、そういう声を聞くと嬉しく思います。
学校でも、生徒がボランティアもっと興味を持つことができるように、ボランティアに触れる機会を増やしたり、ボランティアについて目に見える形で取り上げてくれたらいいなと思います。

Q.今後のルーチェはどんな活動を予定しているんですか?

高校生向けのバスツアーを企画したいと思っています。
だけど、企画ってすごく大変ですね…。2013年の9月に結成してから、何もかもが初めてで。「こんなことやってみたいね」って話していても、テストとかで忙しくなって企画倒れになっちゃうことが多かったんです。これから受験もあるけど、バスツアーの企画は高校生のうちに必ず実現させたいです。

Q.周りの高校生でボランティアをしている子っていますか?

私が知らないだけかもしれないけど、仙台の高校生でボランティアしている子ってあんまりいないなぁって思います。
同じ県内でも、石巻や気仙沼の高校生たちは「自分たちも何かしよう」って動いている子たちがいるし、遠く離れた東京の高校生たちも自分たちでバスツアーやイベントを企画して活動をしているのに、沿岸部に近い仙台の高校生はどうしてやってないんだろうって疑問に思うんです。

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仙台にも仮設住宅はあるし、自分たちも震災を経験したのだから、ただ「経験した」で終わらせたらダメだなと思います
ニュースを見て「ふーん」と思うだけじゃなく問題意識を持ってみるとか、震災の経験をボランティアにつなげるとか、震災について考えたり、行動に移せる人が増えたらいいなって思います。
だから、わたしはもっともっと周りを巻き込んでいけるようになりたいです

Q.石巻や気仙沼の高校生の話が出たけれど、高校生同士の交流はありますか?

ソフトバンク・リーダーシップ・プログラムで友達になった沿岸部の子たちとは連絡取っていますよ!
今年の3月には初めて石巻市に行きました。ずっと行ったことがなかったんですけど、友達に街を案内してもらいました。

Q.石巻に行ってみてどうでしたか?

行ったら意外に近くてびっくりしました(笑)。
石巻では、高校生の活動を大人たちが支援していて、高校生が活動しやすい街だなって思いました。
3月に行ったときは街の中心にしか行けなかったので、今度はもう少し海沿いのエリアや、気仙沼にも行ってみたいです。
高校卒業後は東京に行くことになると思うので、その前にちゃんと自分の目でいまの東北を見たいと思っています

Q.「もっとこうなれば、みんながボランティアに参加しやすくなるのに」と思うことはありますか?

高校生って、学校の中でしか生活してないと思うんです。学校で得る情報がほとんどというか…。だけど、高校にはボランティアの情報があまり入ってこなくて、自分で探すしかないんです。やったこともないのに自分から探すことも難しいですよね。
だから、もう少し目に触れる場所に情報があるといいですね。あとは、まずはボランティアに参加するチャンスが学校生活の中にあれば、そこから面白ければ自分で探すようになるんじゃないかなと思います。

Q.まだボランティアに行ったことない人にメッセージをお願いします

私も、去年までは一人でカフェに行くことさえできなかったんです。(笑)
それくらい、「一人で何かする」ということに抵抗がありました。
それに、最初からボランティアにも興味があったわけじゃなかったし、海外に興味があったからソフトバンク・リーダーシップ・プログラムに参加して、そこからいろんなことが始まりました。
中学生のときは、高校生になったら部活して勉強して。としか思っていなくて、最初は部活も入ったけど続きませんでした。部活やっておけばよかったなーって思うこともあるし、もちろん勉強も大事だと思うんです。
だけど、学校の外に出ていろんな人に出会って、いろんな人の話を聞いていると、次はこんなことにチャレンジしたいって思うようになります。

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ボランティアを通してたくさんの人に会いどんどん輪が広がって行くこともボランティアの醍醐味だと思います。私のような高校生は、ボランティアを通して出会った大人の方の話を聞いて見えてくるものがたくさんあります。進路に関する発見も、自分の知らないことについての発見も決して学校で得ることができないものです。ボランティアに行くか迷ったら“とりあえず”いってみることをオススメします!

取材:田屋 由佳利
プロフィール

ボランティアストーリー013-08 狩野百香さん(17歳)
職業:高校3年生
住まい:宮城県仙台市(仙台市出身)






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