現地に行くからこそ人やまちの変化を感じることができるんです。

東日本大震災 |
2014年 10月 1日




ボランティアストーリー015-01
言葉を一つ一つ丁寧に選んでお話ししてくれた在間さん。
その丁寧さや優しさは、彼女が住民さんと話している様子からも伝わってきました。
在間さんは地域に根差した医療系ボランティア団体のキャンナス東北(http://cannus-saigai.jimdo.com/)にap bank 東北ボランティアプログラム(http://apfj.apbank.jp/volunteers/)を通じて長期でボランティア活動に参加しています。
「もう数えきれないほど東北にきています」と、広島から何度も石巻に足を運んでいる理由、長期でボランティアに参加する面白さを伺ってきました。

Q.就職する前の学生時代にボランティア活動に参加したことはありましたか?

私は海外旅行が好きなので、インドのマザーハウスで活動やインドネシア清掃活動には参加した事はありました。

Q.震災後、ボランティア先としてどうしてキャンナス東北さんを選んだのですか?

先ほども言った通り、海外に興味があって。震災が起こる少し前に「仕事を辞めて海外で看護師として活動をしよう」と、退職が決まっていました。
ですが、震災があって「被災地に行って何かしたいな」と悶々とした気持ちでいました。
そんな頃、テレビでキャンナス東北さんが取材を受けているのをみて、キャンナス東北の存在を知りました。「ここなら私でも何かお手伝いできることがあるかもしれない」と思って、そこからインターネットで調べて、仕事を辞めてすぐの2011年6月に3週間石巻に来ました。2012年に仕事を再開するまで石巻と広島を何度か往復して活動していました。

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2011年の避難所での様子

Q.何度もキャンナス東北さんの活動に参加している理由はなんですか?

うーん、なんだろう。居心地の良さかなぁ。アットホームな雰囲気が居心地がいいんです。「帰って来た」という気持ちになれます。
あとは、一度かかわった住民の方々が気になって「また会いに行きたい!」という気持ちになります。来るたびに、浜の船の数が増えていたり、水産加工場が建設されていたりする変化が見えることも、来る動機になっています。

Q.石巻に何度も来ているということですが、3年前と変わったことは何ですか?

色々な変化はあるけれど、「仕事が少しずつ戻ってきたんだよ」という話を聞く機会が増えました。仕事って、ただ生活のために働くというだけでなく、自分を支える一つであるって思うんですよね。その大事な仕事が、震災前と同じとまではいかなくても、少しずつ戻ってきたということは私も嬉しいですね。
あとは、キャンナス東北の活動では、震災の前の生活の一部であった畑仕事に触れられるよう、住民の方の声を反映して、「おらほの家」(牡鹿半島にある一軒家を借りて、健康相談会など行っている場所)に畑を作ったり、裁縫の場や料理の場をもうけるなど、やり甲斐作りや交流作りの場への取り組みがより強くなっていると感じます。

Q.今回は、長期で活動に入っているんですよね?

そうです。2012年からこの前までは仕事をしていたので2、3日の短期でしか来られなかったのですが、いまは仕事をしていないので、久しぶりに長期で来ています。

Q.長期と短期でボランティアに参加する違いはどんなことですか?

活動内容も健康相談会、お祭りの救護班の活動があったり、お茶っこの活動があったりと日によって違うので、長い間いることで多くの活動に参加したり、たくさんの住民の方と関わることができます。気持ち的にも、どっしりと構えることができます。住民の方に顔も覚えていただけて嬉しいですしね。

ボランティアストーリー015-05 ボランティアストーリー015-07

Q.長期でいることで衣食住の心配はないですか?

快適ですよ。私は何度か長期でキャンナス東北に来ているから、慣れているのかもしれないですけどね。震災当初来たときは、避難所での寝泊りもあったので、普段の生活との違いに戸惑う事もありましたが、今は普段自分が生活している感じと何ら変わりはないですよ。人と同じ部屋に寝たり、晩御飯を一緒に作ったりするので、共同生活が苦手な人は抵抗を感じるかもしれないですが、それも経験。慣れると思いますよ。

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Q.活動していて嬉しかったことってなんですか?

短期で来ていた時は、住民の方になかなか顔を覚えてもらえなかったのですが、ある時「あら、あんた前も来てたねぇ。」と言ってもらえた時は、なんだかすごくうれしかったです。

Q.ボランティアをしてみたいけど1歩を踏み出せない人やキャンナス東北さんに来てみたい人にメッセージをお願いします。

1歩が踏み出せない理由としては、「行って何ができるだろう」という不安な気持ちが大きいのかなと思います。
だけど、「何かお手伝いがしたい。」という気持ちがあるのなら、ぜひ1歩を踏み出して欲しいです。同じ思いを持った人たちと出会って、話をするだけでも、きっと貴重な経験となります!
キャンナス東北は、看護師の資格がない方も、学生の方もボランティアとして受け入れていますし、その人の持ち味を活かしてくれます。
住民さんのそばで一緒に座ってお茶を飲んだり、お話したり、料理を作ったり、手芸をしたり、畑に一緒に行ったり、車で送迎をしたり、いろいろとできることはあります。
そして、スタッフの方もボランティアの方も、みなさん明るくてフレンドリーなので、一人での参加でも、すぐに打ち解けられると思います。
現地に行って自分の目で見ると、感じることが大きいし心にも残ります。何かを感じたい。っていう気持ちがあるなら、是非来て見てもらいたいなと思います。

取材:田屋 由佳利
プロフィール

ボランティアストーリー015-06 在間 里美さん(32歳)
職業:看護師(休職中)
住まい:広島県在住



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