この場所が、ここにいる人たちが好きだから。

東日本大震災 |
2014年 1月 20日




ボランティアストーリー005-01
「気仙沼の人はあったかくて、大好きです」と笑顔で話す矢野さんは、九州の大学を1年休学して気仙沼に移り住み、「ともしびプロジェクト」で活動しています。ボランティア経験や移住のきっかけ、どんな想いで活動をしているのか、お話をお聞きしました。

Q. 矢野さんは今までボランティア活動をしたことはあったんですか?

しっかりとボランティアをするという形では、今回の東日本大震災のボランティアが初めてでした。東北の現状を自分の目で見てみたいという気持ちで、2012年に学生団体を通して気仙沼を訪れ、1週間ボランティア活動をしました。

Q. 初めてのボランティアはどうでしたか?

その時は、気仙沼のお寺の石庭で塩抜きとガラスを取り除く活動をしました。結構な肉体労働でしたが、お寺の方とも仲良くなったり、ボランティアのみんなの中で連帯感が生まれたりと、とても有意義でした。

ボランティアストーリー005-08

夜に、ボランティアのみんなで「どうやったら早く作業が終わるのか」を話し合った時間が、僕は一番楽しかったです。

Q. 初めての気仙沼の印象はどうでした?

気仙沼の人たちは、それぞれの思いを持ちながら、様々な形で復興の為に尽力している姿がとても刺激的で面白いと思いました!あと、ボランティアを通して地元の方の温かさに触れて、気仙沼という場所を好きになっていきました。

ボランティアストーリー005-05

九州に帰って、周りの友達とかに気仙沼のことを熱く、熱く、熱く語ったんです!
でも、僕の気持ちと気仙沼に行ったことのない周りとの気持ちには温度差があって「あぁ、うまく伝えられない」ってもどかしかったんですよね。九州は気仙沼からの距離もあるし、震災から1年以上経っていてテレビでも震災のことが映される機会も減っていたので、しょうがないんですけど…。

Q. 伝えたいことが伝わらないって悔しいですよね…

九州に戻ってから、1週間のボランティアに行った経験を自分でうまく人に話せなかったことがすごく悔しくて、ずっとモヤモヤした気持ちでいました。
僕には、教師になりたいという夢があるんですけど、「人に伝える」というのは自分が経験してないと相手の気持ちに届かないということをすごく感じた瞬間でした。
気仙沼に行って今しかできないことを経験したい。そして震災のことを、ちゃんと次の子どもたちにも伝えていきたい」って思ったんですよね。

Q. そこから実際に気仙沼に行くことになったきっかけってあったんですか?

あるとき「ともしびプロジェクト」代表の杉浦さんが九州で講演をすることを知って、聴きに行きました。そのときの講演の中で「気仙沼に来たい人がいたら来ていいよ」とおっしゃっていたんです。僕だけに言ったわけではないんですけど、もう「これだ!行きたい」と思ったんです。

Q. 休学してボランティアに行くことについて、周りの反対はなかったですか?

ありました…。
僕、今まで親に反抗したことがなくて。
「1年休学して気仙沼に行きたい」と言ったらすごく反対されて、初めての反抗期に入りました。それでもどうしても行きたくて、杉浦さんも鳥取に住む両親に電話をしてくださって、やっと説得して(半ば強引に!)、気仙沼に来ました。

Q. 強引に?!ご両親はきっと今でも心配されてますね…

気仙沼に来てから、しっかりと両親と連絡を取るようにしています。
少し前には、両親が鳥取から気仙沼まで会いにきてくれて、気仙沼でお世話になっているたくさんの人達に会ってもらいました。
両親にとっては初めての被災地だったのですが、想像していたよりも復興が進んでいない部分も多くあり「2年以上経っているのに…」と驚いていました。それと同時に地元の方の温かさも感じたようで、僕が「気仙沼にいきたい」と言った理由がなんとなくわかったようでした

Q. 実際に「ともしびプロジェクト」で活動をしてみてどうですか?

ともしびプロジェクトの活動は、ろうそくを作っている地元の人たちはもちろん、全国各地の人が関わってくれているので、いろんな人に出会えます。みんな行動力のある人ばかりで刺激を受けます。ともしびプロジェクト以外でも、知り合った人から声がかかれば、いろんなところでお手伝いをさせてもらっています。

ボランティアストーリー005-07

長期で来ておもしろいことは、地元の人との触れ合いです。気仙沼の方々はすごくいい人たちで、お店に行くと「お茶っこ飲んでって」ってイスとお茶を出してくれるんですよ。あとは、時々知り合いの中学生に家庭教師もしているんですけど、その子はすごく釣りがうまくて、僕は釣りを教えてもらっています。そうやって地元の人たちと触れ合えるのがすごく面白いです。

Q. 活動をしていて気持ちの変化はありますか?

気仙沼に住んで1年近くになることもあってか、被災地の状況を今まで以上に自分事として考えるようになりました。いい意味では、もうボランティアだと思わなくなったのが一番の気持ちの変化です。

ボランティアストーリー005-04

Q. そう言えば、矢野さんは出身高校で講演会もされたんですよね?

そうなんです!
後輩には、ともしびプロジェクトの活動紹介や被災地の状況、どうして休学しようと思ったかをお話ししました。ちょうど震災から1000日目だったこともあり、被災地の情報がもうほとんど入ってきていない鳥取で、この様な形で知ってもらえる機会を頂けたことをとてもうれしく思います。
講演の後「ともしびプロジェクトに参加します」と言ってくれた子もいて、とてもうれしかったです。
ただ、反省点もたくさんあったので、次はもっと多くの人に伝えられるようにしたいと思います。

Q. 最後に、これからボランティアをやってみようかなと思っている人にメッセージをお願いします

メッセージですかぁ…うーん、そんな偉そうなこと言えないですけど…、現地には来ないとわからないことがたくさんあります。来たから言えることがたくさんあるんです。
もし、ボランティアにいってみようかなって悩んでいる人がいるなら、2・3日でもいいから見に来てほしいです。

ボランティアストーリー005-06

僕も、震災までボランティアをしたことがなかったけど、「観光で行くより少しでも現地の方の力になれたら」と思って気仙沼に来ました。ボランティアで来たほうが、地元の人とコミュニケーションができていろんなことが見えると思います。
ほんと、来てほしいです。というか是非、来てください!

取材:田屋 由佳利
プロフィール

ボランティアストーリー005-03 矢野 陽大さん(21歳)
職業:大学生
住まい:宮城県気仙沼市
出身地:鳥取県米子市






トップページボランティアストーリーとは運営団体について記事一覧お問い合わせ

赤い羽根共同募金