ボランティア活動を通して東北のイマを感じています。

フェス, 東日本大震災 |
2015年 9月 24日




ボランティアストーリー023-01
2014年の気仙沼サンマフェスティバルのボランティアに参加した宮下さん。
今年もサンマフェスのボランティアに参加予定です。
生まれも育ちも東京で、震災前は東北に来たことがなかったそうです。
「最初はボランティアをどうはじめていいかわかりませんでした」そうおっしゃる宮下さんですが、2011年から毎年東北に足を運んでします。
震災後、ボランティアを続けている理由、サンマフェスの魅力を聞いてみました。

Q.震災前からボランティアってしていました?

震災前からずっと興味はあって、何かやってみたいなぁ。と思っていたんですけど、きっかけもないし、どうはじめていいかもわからなくて何もせずにいました。
東日本大震災が起こって、やっぱりボランティアやりたい!と思って探したんですけど、震災が起きた当初は団体じゃないと受け付けませんっていうのが多くて、個人ではどうしていいかわからずにいました。

Q.では、初めてボランティアをしたのはいつどこで活動をしましたか?

2011月11月に気仙沼市の大島に行きました。
会社で、5泊6日で大島へ行くボランティアを募集していて、交通費も出るし「チャンスだ!」と思って、お休みをいただいて行くことができました。
大島はホタテとかカキの養殖が盛んで、養殖に使う筏づくりなどのお手伝いをしました。

Q.実際に大島を訪れてみてどうでした?

私が行ったときは、瓦礫はほとんどなかったけれど、家の中はまだぐちゃぐちゃのところがありました。
何度もテレビで被災地の映像を見ていたはずなのに、初めて自分の目でまちをみたときの衝撃は大きかったです。実際に目で見ると感じ方が違いました。

Q.そのあとは、どんなボランティアに参加しましたか?

大島がすごくいい場所だったので、個人的に2回くらい行きました。
岩手県の大槌は復興が遅れていると聞いたので行きたいと思っていたんですけど、会社で防波堤を作るための植樹会の参加者を募集しているので、大槌町には毎年行くようにしています。
あとは、気仙沼サンマフェスティバルかな。

ボランティアストーリー023-03
左:2012年の植樹会、右:2015年の植樹会の防波堤

Q.気仙沼サンマフェスティバル(以下、サンマフェス)に参加したきっかけを教えてください

私は音楽が好きなのでフェスのボランティアスタッフにも憧れていて、そんな時にSNSでサンマフェスのことを知りました。気仙沼にも行きたいと思っていたので、気仙沼とフェスのボランティアということが一致して「行ってみよう!」と思って参加を決めました。

Q.サンマフェスでは実際にどんな活動をしましたか?

1日目はクローク係り、2日目はサンマを焼きました。
クロークはそんなに忙しくなかったんですけど、座っていたら寒くて…一緒に活動していた地元の高校生の子にホッカイロを買ってあげたのが思い出かな。(笑)
サンマ焼きは、辛かったですー!涙と鼻水が止まりませんでしたよ。
大変なこともあったけれど、すっごく楽しかったです!

Q.サンマ焼きは辛いとよく聞きます…そんなサンマフェスの魅力を教えてください!

「前向きにやっていこう!」っていう感じがしていいなぁ。って思いました。
地元の高校生がステージに上がって演奏をしたり、出演者もサンマフェスが好きなんだなっていう印象を受けました。そういう感じがいいですよね。
本当にあったかいフェスですよ。
東京からのバスツアーだと語り部もついているのでそこも魅力です。

ボランティアストーリー023-05東京バスツアーの語り部で訪れたときの写真

Q.サンマフェスにお客さんではなくボランティアで参加するのはどうしてですか?

うーん。なんだろう。
フェス目当てならボランティアじゃなくてもいいんでしょうけど、なんかボランティアで参加したいって思っちゃうんですよね。
昨年一緒にボランティアやった仲間とも「今年もボランティアするよね!」みたいな話に自然となったし、お客さんで行くよりもボランティアで参加した方が出会いがあるからかな
参加したらこの気持ちわかってもらえると思います!
私も、活動に参加してみたらリピーターのボランティアさんが多い理由がわかりました。また今年も楽しみです!
こんなに魅力的なボランティアやフェスってあんまりないんじゃないかな。
サンマフェスはこれからもずっと続けてほしいなと思います。

ボランティアストーリー023-04

Q.サンマフェスで知り合った人たちとは東京でも連絡を取ったりしているんですか?

してますよ!一緒に活動した東京在住の子たちと、鍋したり、たこ焼きパーティーしたり、ビアガーデン行ったり…。
職業、性別、年齢を超えて仲良くなれるのもボランティアの魅力かなと思います。
特にフェスのボランティアだと音楽という共通点もあるので打ち解けやすいですね。

Q.サンマフェスに限らず震災以降、毎年ボランティアに参加している理由を教えてください。

復興していく姿を見たい。ってことかな。
瓦礫がどんどんなくなったり、海がだんだんきれいになったり、家が新しく建ったり、何もなかったところにコンビニができたり…そういうのを東北に行くたびに感じています。
地元の人に「また次が楽しみだな」って言ってもらえることも嬉しいし「また来よう!」って思えるんですよね。

ボランティアストーリー023-06

Q.まだボランティアって必要だと感じますか?

感じます。
…というか、現状を知らない人が多いなとすごく感じているんですよね。
被災地を見ていないのに「ボランティアってもういらないんでしょ」っていう人もいますし。
もう東京では東日本大震災のニュースはほとんどやらないし、現地に行かないとわからないことがありますよね。
ボランティアとして東北に行くことが一番震災のことを感じることができるんじゃないかなって思います。
仕事や結婚もあるし、行けるチャンスが少しでもあるときに行ってほしいなと思います。
もし初めて行くので不安という人がいるなら、少し高くても旅行会社のボランティアパックツアーがいいかもしれないですね。

Q.これからも東北に関わっていきたいですか?

ボランティアでも行きたいし、音楽フェスでも東北に足を運ぶようになったし、どんな形でも1年に1回は福島、宮城、岩手県の3県を訪れるようにしています。
食べ物も選べるときはなるべく東北のものを選ぶようにしています。
「被災地」っていうきっかけだったけれど、東北の食べ物は美味しいし、人も温かいし、これからもかかわっていきたいなと思います。

リンク
気仙沼サンマフェスティバル http://sanmafes.com/

取材:田屋 由佳利
プロフィール

ボランティアストーリー023-07 宮下明子さん(30歳代)
職業:会社員
住まい:東京都
出身地:東京都



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