絵を描くことを通じて何かしたかった。気仙沼の人の似顔絵を描き続けた2ヶ月間。

東日本大震災 |
2014年 3月 17日




ボランティアストーリー007-01
宮沢さんが最初に被災地へ行ったのは2011年の9月。自分にとって得意なアー トで被災地を元気づける事はできないかと思いながらボランティア活動に参加 したが、最初は何もできなかったそうです。アートは無力だと悔しい思いをし た宮沢さんが気仙沼で見つけた「自分らしい活動」は似顔絵を描くことでした。

Q. 初めて被災地へ行ったのはいつ頃だったんですか?

2011年の9月に初めて被災地へ行きました。最初は石巻のボランティアセンターに電話で問い合わせをしたんですが繋がらなくて…。次に電話したのが気仙沼のボランティアセンターでした。
是非来てくださいとのことだったので、準備をして気仙沼にボランティアをしにいきました。

Q.最初はどんなボランティア活動をしたんですか?

ボランティアセンターでガレキ撤去や泥かきをしました。最初は自分に何ができるかわからなかったので、まずは現地に行って体験しないとわからないと思ってたんですが、自分が今までずっと取り組んできた絵を描くということで何か役にたてることはないかなと探しながら活動をしてました
でもなかなかアートとボランティアの活動が結びつきませんでした、ラジオを通して子供達を元気づける音楽に比べて、アートはアートそのものの力で支援できることって少ないなぁって、この状況下に置いて必要のないものかなのかなって、悔しかったです

Q.そんな悔しい想いから、似顔絵を描こうと思ったきっかけは何だったんですか?

去年の5月に同じ気仙沼でボランティアしていて、1日の活動が終わった後に商店街のコロッケ屋のお母さんと何気ない話をしてたんです。そうしたらお母さんが「あなたは東京で何をしてるの?」って聞かれて、「絵を描いてます」って答えたら、じゃあ似顔絵でも描いてってお願いされました
人前で絵を描く事がとても苦手だったのですがで描いてみたら、その絵をもって周りに自慢したり、その後縮小コピーして名刺代わりにしてくれたり、すごく喜んでくれたんですよ。
気仙沼に来て、初めて絵を描くことでありがとうを言われました。

ボランティアストーリー007-04

Q.それは嬉しいですね。きっかけはコロッケ屋のお母さんだったんですね。

そうなんですよ。
その後、たまたまお店にやってきた家族を紹介してくれてその家族の似顔絵も描いたら、涙をうかべて喜んでくれて…本当に嬉しかったですね。絵でできることがあるって
そんな人とのふれあいの中で、短い滞在ではなく長くこの町にいてもっといろんなことを知りたいって思うようになったんです。

Q.その後はまた気仙沼に?

今度は会社を辞めて、本格的に絵を描くために気仙沼へ行きました

Q.会社辞めちゃったんですか?

今までの2、3泊の滞在では見えないものが見てみたくなったのです。 自分の事を知らない人たちがすんでいる土地に飛び込んで、0からスタートして 描けるだけ描いて絵でどこまで支えられるだろう、どこまで繋がれるだろうと思いました。それを伝えたら会社の方々が、120色の色鉛筆をプレゼントしてくれて送り出してくれました。今でもずっと気にかけてくれています。

Q.どれくらい気仙沼で似顔絵を描いたんですか?

数えられる範囲で130人以上描きました。本当にたくさんの方の似顔絵を描きましたね。どんどん描いてると噂が広まって、お祭りなどにも呼ばれるようになりました。炊き出し会場、学童、直接お宅に招かれたり、たくさん描きました。

ボランティアストーリー007-07

その時は2ヶ月、気仙沼に滞在してずっと似顔絵を描いていたんですが、亡くなった家族と一緒の絵を描いて欲しいという依頼もいただいて、これは絵だからできることだな感じました。こちらからではなく、向こうから私の似顔絵描きの噂を聞いてお願いしてくれたんです。最初はそんなこと考えられないくらい辛い思いをしていたんだと思いますが、時間の経過とともにアートでできることがあるんだなと思いました。今まで人生を通じてやってきたことが意味のあるものになった瞬間でしたね

ボランティアストーリー007-03

Q.絵を描いている時は会話されるんですか?

そうですね、絵を描きながら向かい合って話をしている時が一番楽しい瞬間です。みんなたくさん話をしてくれます。子ども達とは似顔絵の描き合いっこもしました。

ボランティアストーリー007-06

たまに周りには言えないことを話してくれる方もいます。外から来た自分だからこそ話すことができることもあるんだろうなと思います。

Q.似顔絵以外は何か描いたりしたんですか?

似顔絵以外だと、仮設商店街のメニュー表や観光マップも描かせてもらいました。それと、気仙沼の印刷会社さんとの共同制作で震災の絵本を作りました。

ボランティアストーリー007-05 ボランティアストーリー007-08

Q.そう言えば気仙沼で宮沢さんの個展を開催されるんですよね?

宮沢麻子個展【DOCUMENT】3月21日(木)から 26日(水)まで、気仙沼の 南町紫市場前 ” みなみまち cadocco “で開催します。是非見に来てください!
宮沢麻子HP:http://asakomiya108.wix.com/artworks

Q.なぜ気仙沼での開催なんですか?

東京での開催も考えたんですが、東京で被災地の得を見てもリアリティがないと言うか、実感がないと思うんですよ。
気仙沼で開催することで、気仙沼の空気を吸って、街の様子も見て、そんな中で絵を見てもらえればなと思って、気仙沼で開催することにしたんです。1人でも多くの人が気仙沼に来て欲しいって想いもあるし、気仙沼の人にも忘れないで欲しいって意味で見に来て欲しいです。滞在中地元の方から聞いた話、見た風景をもとに制作した絵画の展示会です。「展示会」と言っても堅苦しい感 じではなく、ふらっと気軽に立ち寄ってお話出来る空間を作れればなと思ってます。

Q.最後に宮沢さんからこれからボランティアへ行こうとしている方へメッセージをお願いします

私はずっと東京で考えるだけだったんですが、実際に気仙沼に行ってみると頭でっかちになってた自分に気付きました。
何かしたいって想いで行くんですが、鍵は現地の人が持ってると言うか、何気ない会話からそれが見つかったり、自分にできることが見えてきたりします。やるべきことは自分の中だけでなくて、人と接する中から自然と見つかるんだと思います。
気仙沼に是非行ってみてください。そして現地の方とたくさん話をして欲しいと思います。

取材:北村孝之
プロフィール

ボランティアストーリー007-09 宮沢麻子(26歳)
職業:美術作家
住まい:東京都世田谷区
出身地:東京都
HP:http://asakomiya108.wix.com/artworks



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